曲書緩想文

もともと音楽の話ばっかりしてました。今はよくわかりません。

曲がりくねった20年を(Husking Bee@熊谷Heaven's Rock 2013,11/3)

「実は僕だけハスキングビーで20年目、(今日の会場の)Heaven's Rockと同い年なんです」

 

さまざまな紆余曲折を経てここまで来た道のりを、磯部正文はMCで語る。
初めて組んだバンドを20年続ける「Husking Beeひと筋」の男は、自身のバンドに対する絶対的な純愛とも言える思いを持っているのだろう。


前日にはTheir/They're/There, Owen, Into It. Over It.の前座を務めた彼らは、MCでも「圧倒されましたよ。勉強になります」といちファンのように興奮気味に話す。
ベテランと言われても、貪欲に吸収し、変化し続ける姿勢がこの日の客層にも現れていた。
初期のファンから最近のファンまで、実に幅広い客層が楽しんでいたのは、ただ単に20年の月日がなしたものではない。


「熊谷はやっぱり風が、暑い風が吹きますからね…! 熊谷に新しい風を!」と気象台の叩き出す数字をネタに”新利の風”で本編終了。


一回目のアンコールを始める前に気になる日本シリーズの途中経過を発表。「『言わないでー』って言ってた人ゴメンね、恨まないでね」と笑ってからアンコール開始。
「ミュージックでとろけたあぁぁい!」勢いは本編以上、”摩訶不思議テーゼ”から、締めはやはり"Walk"だ。

演奏終了でメンバーがステージ裏へ引っ込んだ後、客も4分の1か3分の1くらいは帰っただろうか。数分の時間が経っても、ダブルアンコールを望む声は止まらない。そして現れたメンバー。


「全然予定になかったんですけど」「何やろっか」「あ、実は今新曲作ってまして」
ハプニング的なダブルアンコールの際に新作の話題。
来春完成予定、「"Don't Stop Dreaming"というタイトルを考えていたんですが、『うわっ、ストレートですね』と言われたので、考え直します」など、ダブルアンコールがなければ話されなかった新作の話は客にとってもかなりおいしい。
「(1作目の)"Grip"みたいな大切な意味を持つアルバムにしたいと思います。じゃあ、Gripの曲やろうか」
さっきよりもやや空いたフロアが熱狂したのは"8.6"。待っていたファンにこれ以上ないプレゼントだ。


次の週末のtieemoでは「1st,2nd中心のセットリスト」と予告されているだけに、今回は最近の曲中心で来ると思われていたが、初期からも多く演奏されたのが意外だった。さて、tieemoではどんなステージになるのか。


そういえば、ダブルアンコールも終わり、客電もついた後にBGMで流れていた"Walk"のアコースティックカバーは誰のだったんだろう。最後まで良い演出だった。